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心臓血管外科:過去のニュース

日本成人心臓血管外科手術データベース機構(JACVSD)への参加開始―2011年4月15日

新潟医療センター心臓血管外科では、日本成人心臓血管外科手術データベース機構(JACVSD)にデータ登録を行うことを患者さんにお願いしております。

JACVSDは日本心臓血管外科学会、日本胸部外科学会が中心になって2001年8月に運用を開始されました。

JACVSDは、「心臓血管外科手術を受ける患者様の手術前の医学的身体状況と行われた手術およびその結果を調査し、これをデータベースとして情報収集し全国的に集計することにより、日本の心臓血管外科学の進歩、ひいては国民全体の福祉健康の増進に寄与することを目的としています。」(JACVSDホームページから抜粋)

当院はJACVSDの趣旨に賛同し、2011年1月から参加することとし、施設認定を受けました(施設認定証の表示)。また、院内の倫理委員会からも承認を受けました(倫理委員会承認書の表示

JACVSDでは、「個人の健康状態に関する情報を取り扱うため、秘密保守には厳重な配慮を置き、コンピューター処理を行う際にも高品質の暗号形式を使用し、個人を特定できる形での情報公開は一切行わない」としています。(JACVSDホームページから抜粋)

なお、情報登録の同意はいつでも撤回でき、情報登録に同意なさらなくても、診察において不利益を受けることは一切ありません。

JACVSDの詳細につきましてはホームページ(http://www.jacvsd.umin.jp/)に掲載されています。患者様におかれましては、本データベース機構の趣旨をご理解いただき、当科で心臓手術、胸部大血管手術をお受けになる際には、データ登録につきご協力賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

血管内治療を開始しました!―2010年9月3日

胸部大動脈瘤や腹部大動脈瘤、閉塞性動脈硬化症などに対して、従来は外科的に大きく胸部や腹部、大腿部を切開して人工血管で瘤を置換したり狭窄部をバイパスする手術を行ってきましたが、最近では、大動脈瘤に対してはステントグラフト内挿術、閉塞性動脈硬化症に対してはステント留置術を行う低侵襲治療が普及してきました。

こうした治療において世界の最先端にある東京医科大学第二外科学教室から5月に医師が派遣されてきましたので、当科でも、まず閉塞性動脈硬化症の患者様に、ステント留置術を開始しました。6月と7月に総腸骨動脈に狭窄のある患者様に施行し、2例とも大変良好な経過でした。

ステント留置術とは、閉塞性動脈硬化症に対する血管内治療です。足の付け根の動脈から金属でできた一種のバネ(ステントといいます)を収納したカテーテルを挿入し、狭くなった動脈の場所にこのステントを留置して狭窄部を拡張する治療法です。手術の前日に入院していただき、手術は局所麻酔で施行可能で1~2時間で終了します。血管内エコーを使用し、狭窄部の病変の状態や径、長さなどを注意深く観察しながら安全第一に行っています。通常は術後2日目には退院できる3泊4日の低浸襲お治療法です。

症例提示:左総腸骨動脈が2箇所で高度に狭窄しています(図1)。網目状の形状記憶合金でできたステントを狭窄部を覆うように拡張・留置します(図2)。2箇所とも狭窄はほぼ消失しました(図3)。

歩くとふくらはぎや太ももの後ろ、お尻が痛くなる人は閉塞性動脈硬化症の可能性もあります。また、この疾患の人は、心臓の血管(冠動脈)や脳の動脈が狭くなっている場合もあります。お心当たりの方は、いつでも当科外来を受診して下さい。血管外科外来は火曜と木曜の午後2時からですが、ご都合がつかない時には、同じ曜日の午前中でもかまいませんし、第1、第3土曜午前も受診可能です。

下記「診療内容・特色」の「末梢血管の疾患」もご参照下さい。

医師派遣のお知らせ(2010年5月7日)

2010年5月1日付けで、東京医科大学第二外科学教室(重松 宏教授)から高江 久仁(タカエ ヒサヒト)医師が派遣されてきました。高江医師は血管外科専門で、以前にも当科に勤務経験があります。高江医師のプロフィールにつきましては、このページ後半にある「スタッフ紹介」をご覧下さい。

高江医師の赴任に伴い、心臓血管外科外来の診療日と担当が一部変更されました。木曜午後外来が佐川医師から高江医師に変更され、土曜の午前外来は佐川医師と高江医師が交代で担当いたします。詳しくは、このページ最上段の「外来のご案内」をクリックし、「心臓血管外科」の担当表でご確認下さい。

高江医師は、血管外科分野においては日本だけでなく、世界でもトップクラスの東京医科大学第二外科学教室の医局員であり、同教室の最先端の医療を、新潟の患者様にもご提供できるものと確信しております。

血管疾患について少しでもご不安を感じていらっしゃる患者様は、いつでもご遠慮なく当科を受診なさって下さい。全力をあげて診療させていただきます。

脈管専門医認定筆記試験合格(2009年8月20日)

日本脈管学会主催による、第1回日本脈管学会認定「脈管専門医」筆記試験が2009年6月28日に行われ、当科部長(齊藤寛文)が受験し合格しました(図)。当科顧問の江口昭治とともに、2010年1月1日から同専門医として認定予定となりました。

本専門医筆記試験は、基本領域学会の専門医あるいは認定医資格を有する医師を対象とし、一定期間・一定症例数以上の臨床経験と脈管学に関する業績についての事前書類審査の後に行われました。

社会の高齢化に伴い、動脈硬化性疾患が急増しています。特に、末梢動脈閉塞性疾患の場合、狭心症や心筋梗塞といった冠動脈疾患や脳血管障害などの、生命を脅かす疾患が高率に発症するといわれています。したがって、末梢血管疾患の診療医には、広く全身の重要臓器の疾患に対する知識も求められています。また、災害時に注目された深部静脈血栓症(DVT)などの静脈疾患も増加してきており、末梢動静脈疾患(脈管疾患)の重要性が認識されてきています。

当科においては、心臓大血管疾患だけでなく、こうした脈管疾患に対しても、専門資格を取得した医師が責任と自信を持って診療に当たらせていただきますので、お気軽にご相談下さい。

関連サイト:日本脈管学会(URL:http://www.jc-angiology.org/japanese/

日本周術期経食道心エコー認定試験(JB-POT)合格(2008年12月25日)

心臓血管外科では、手術成績を向上させる要因は優れた手術手技だけではなく、周術期(手術直前、手術中、手術直後)の心機能・血行動態の管理にもあると考えています。
こうした考えに基づき、当科では手術中に経食道心エコー検査を行い、麻酔科医、循環器内科医、心臓血管外科医、人工心肺担当技師が経食道心エコーの所見を確認し、情報を共有しながら安全な手術を進めています(写真)。

当科ではさらに質の高い周術期管理を目指し、当科部長(齊藤 寛文)が2008年9月28日に行なわれた日本心臓血管麻酔学会、日本周術期経食道心エコー認定委員会主催の日本周術期経食道心エコー認定試験(JB-POT)を受験し合格しました。
患者様に安全・確実な手術治療をご提供できるよう、一層の努力を続けていきたいと考えています。

術後感染ゼロ!

手術手技が完璧でも、術後に感染を起こすと最終的には救命できないこともあります。とくに縦隔炎という、心臓周囲に感染が及んでしまうと、感染巣を取り除く手術をしても感染が再発し、死亡率が高くなります。 当科では、感染を起こさないことが最も重要な感染予防対策であるとの考えから、2000年4月以来、手術3日前から胸部やソ径部(足の付け根)の消毒を行っています。 その結果、術前に消毒を行った手術では、これまで縦隔炎といった重篤な感染だけでなく、皮膚の感染も1例も起こっていません。患者様は術後3日目ころからは全身シャワーが可能です。当科の江口が、2000年4月から2007年12月までの7年9ヶ月の期間で行われた連続378例の心臓大血管手術と人工血管を用いた下肢血行再建手術を検討し、手術前に消毒が行われなかったソ径部に感染を起こした1例を除き、手術部感染は全く発生しなかったことを論文発表しました(日本血管外科学会雑誌 17:611-614, 2008)。