診療内容・特色
赤ちゃんの頭の形をキレイに治す「赤ちゃんの頭の形」外来のご案内
「形が少し歪んでいるかも?」「後頭部 が絶壁になっている?」「自然に治るのかしら?」など、保護者様の心配のタネになることも多い赤ちゃんの頭の形。生後4ヶ月~6ヶ月であれば治療できることをご存知ですか?
新潟厚生連新潟医療センターでは頭蓋変形へのトータルケアを目指して、2019年春から「赤ちゃんの頭の形」外来を開設しました。
わが国では従来、「自然に治るもの」「放っておいて良い」と言われ続けておりました。現在では積極的に治療を行うようになり、国内でもヘルメットによる治療を行う施設が増加しております。当院では、国内の会社(新潟市)で作製したヘルメットを用いて、脳神経外科、形成外科、義肢装具士が連携して、赤ちゃんの頭の形の治療を行っております。お子様の頭の形でお悩みがあれば、一度、受診されてみてはいかがでしょうか。
当外来の特色
- 2019年5月から2023年2月までに約400人の赤ちゃんが受診され、約200人の赤ちゃんにヘルメット治療を行ってきました。
- 小児脳神経、頭蓋顎顔面、先天性体表疾患などに精通した脳神経外科医、形成外科医が診察を行っており、頭の形以外の疾患も同時に診察しております。
- 総合病院のため、レントゲン、CT、MRIなどの設備が備わっており、できるだけ受診された日に撮影できるように努めております。少ない被ばく量で撮影をするように工夫しております。
- 当院関連会社(新潟市)で製作をしており、迅速な対応が可能で、スキャンからヘルメットのお渡しまで約1週間と、非常にスピーディーです。
- 形成外科医と、製作に携わる義肢装具士が定期的に直接診察を行い、おうちの方のご意見も参考に、成長に応じたヘルメットの調整をその場で行います。
- 予約時間を細かく設定して、待ち時間が少なくなるように努めております。
ヘルメット治療例
ヘルメット治療例1 斜頭症
斜頭症は、おなかの中に赤ちゃんがいた時や、出産後に赤ちゃんの頭に圧力が加わることで発生するのが一般的です。後頭部の一側が平らになることが特徴です。
生後5カ月16日から6カ月間装用
ヘルメット治療例2 絶壁
絶壁は短頭ともいい、後頭部の両側が平らになることが特徴です。
生後4カ月27日から5カ月間装用
ヘルメット治療例3 斜頭症と絶壁
斜頭症と絶壁が一緒になることもあります。ほか、耳の位置のずれ、おでこや頭頂部の出っ張り、お顔の左右非対称を認めることがあります。
生後5カ月5日から6カ月間装用
ヘルメット治療例4 絶壁
頭頂部の出っ張りをともなう例です。いわゆる「おはちが張っている」ともいわれています。
生後4カ月21日から5カ月間装用
ヘルメット治療例5 斜頭症
前額部の陥凹および突出、側頭部の突出をともなう例です。
生後6カ月1日から6カ月間装用
ヘルメット治療例6 斜頭症
治療開始前と終了時に、3Dスキャンを行います。治療効果が分かりやすく確認できます。
生後5カ月12日から6カ月間装用
ヘルメット治療例7 斜頭症
生後5カ月0日から6カ月間装用
ヘルメット治療例8 斜頭症
生後4カ月15日から6カ月間装用
ヘルメット治療例9 斜頭症
生後7カ月以降に開始した場合は、早期に開始した場合と比べ、効果が劣る傾向にあります。
生後8カ月21日から6カ月間装用
ヘルメット
熱で加工しやすく、柔らかいプラスチックの内側に、汗やにおいがつきにくく、ずれにくいスポンジが貼ってあります。表面にはたくさんの穴があいています。お肌に優しい素材を使用しており、ヘルメットは丸洗いもできるため、皮膚トラブルが極めて少ないです。
(仕様が写真と異なる場合があります)
料金改定のお知らせ
この度、材料費・機器の価格高騰のため、2022年5月23日より「赤ちゃんの頭の形」外来の料金を下記の通り改訂させていただきます。
記
「赤ちゃんの頭の形」外来 (自由料金※) |
430,000円(税込 473,000円) |
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上記料金に含まれるもの | ヘルメット作製 3Dスキャン 作製後の調整 |
※ヘルメット治療の適応診断(保険診療分)は含まれません。
ヘルメット治療の流れ
保険診療
- 脳神経外科で診察→病的変形を除外します(レントゲン・CTを撮影することあり)
- 頭蓋変形の重症度を判定(各種計測)して、ヘルメット治療の適応を決めます
自由診療(税抜43万円+消費税)
- ヘルメット治療の希望を確認(同意書)
- 3Dスキャン、お支払い
- コンピューターによるデータ作製
- ヘルメットの作製
- ヘルメットのお渡し(スキャンから1週間後)
- ヘルメット装着および定期通院
- 3Dスキャンおよび効果判定(開始から5~6ヶ月後)
生後4~6ヶ月に治療開始し、だいたい1歳前後にヘルメット卒業です!
「赤ちゃんの頭の形外来」についての研究発表が日本小児神経外科学会で取り上げられました。
2024年6月7-8日に富山国際会議場で開催された日本小児神経外科学会において、当院の「赤ちゃんの頭の形外来」についての研究が、シンポジウム(看護・就学支援)で発表されました。
今回の発表テーマは「赤ちゃんの頭の形外来」を受診する両親が抱く不安についてでした。この外来は、当院が新潟県で初めて開始したもので、これまでに約600人の方が受診されています。初めての子育てを経験するご両親にとって、赤ちゃんの頭が変形している不安は非常に大きなものです。当院では専門の医師と看護師が連携し、個々の事例に応じた最適なアドバイスと治療を提供しています。
シンポジウムでは、これまでの実績や具体的な症例について報告し、参加者との間で活発な議論が行われました。
赤ちゃんの健康とご家族の安心を支えるために、「赤ちゃんの頭の形外来」では引き続き最善の取り組みを進めてまいります。
皆様のご理解とご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。
赤ちゃんの頭の形が気になるときは、お気軽に御予約ください。
地域医療連携室
電話番号 | 025-232-1216 |
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FAX番号 | 025-232-1246 |
受付時間 | 月~金曜日/9:00~16:30 ※土・日・祝祭日・病院休診日を除く |