診療科・部門

循環器内科

診療内容・特色

CCU 8床を含む44床の循環器病棟で心筋梗塞、狭心症を中心とする救急疾患に24時間体制で対応しています。心臓血管外科と密に連携し、緊急ACバイパス術や大動脈解離の手術にも即応しています。十分な説明と同意、迅速な診断と治療、早期退院を心がけて治療を行っております。

狭心症では 3~4日、急性心筋梗塞では合併症の無い場合10~14日の入院を目標としています。

なお、重症例を除き、冠動脈造影は橈骨動脈(手首の動脈)の穿刺法により行っており( 2014 年狭心症の 86% 、急性心筋梗塞の 87% )、検査・術後の安静臥床が不要となったため、以前と比べ検査後の苦痛が大幅に軽減し、狭心症の場合、症例によっては翌日退院も可能となっています。

ペースメーカ移植術に関しては、2006年10月より合併症の減少とリード寿命の延長を目的に胸郭外鎖骨下静脈穿刺法を導入しています。
疾患としては狭心症・心筋梗塞の他、心不全(弁膜症・心筋症等)、不整脈、高血圧、大動脈疾患、肺塞栓、肺高血圧症なども循環器内科の対象疾患です。動悸、息切れ、呼吸困難、胸痛、背部痛、めまい、“意識が遠のく感じ”などの症状がある方は早めに受診してください。

心臓リハビリテーションについて

当当院では2011年5月心大血管リハビリテーション施設認定を受け、急性心筋梗塞や心臓・大血管の手術を受けた患者さまを対象に、退院後も外来において早期の社会復帰・復職、生活の質(QOL)の改善、再発予防を目的とした運動療法や食事指導等を行っています。

不整脈の診療について

不整脈は心臓の脈の乱れのことです。動悸や息切れが出現し、生活の質(QOL; Quality of Life)が低下することがあります。不整脈の種類によっては、脳卒中や失神など重大な問題を引き起こすこともあります。心臓の脈は自律神経の影響を強く受けますので、ストレスなどが原因となることもありますが、心臓の脈を作るシステムそのものに異常があることがあり評価が望ましいと考えられます。
当院では、発作時に受診していただき心電図を記録すること以外にも、24時間心電図、簡易型心電計の長期貸出、カテーテル検査、体内植込型の心電計などの検査を用いて積極的な評価を行っております。
不整脈の治療には、ストレス回避などの生活指導、薬物治療、非薬物治療(カテーテル治療やペースメーカー治療)などがあります。

代表的な不整脈とその治療

期外収縮

大きな鼓動(ドッキン、ドッキン)を感じることが多いようです。心臓は一日に約10万回の拍動を繰り返しますが、この仕組み(電気の流れ)にエラーが発生することがあります。多くの方ではエラーを修正する仕組みがしっかりしているので、脈が1回抜けるだけで、元の脈にもどります。これを期外収縮とよび健常人にも日に数回~数十回の頻度で認められます。不整脈そのものの治療は不要であることが多く、症状がある方には血圧の管理やストレスの回避など心臓以外の状態を整えることが有用です。ただし、回数が多い場合や連続して発生する場合は、治療を検討します。

上室性頻拍

学童から高齢者まで、まんべんなく発症します。突然の動悸として始まり、多くは脈拍数が130/分を超えますが、はやくても規則正しいことが特徴です。息こらえ、かがむ、飲水などで停止することもあります。この不整脈は、心臓の他の病気がなければ、生命の危険はほとんどありません。発作が長く続く場合は、医療機関での治療(注射薬が有効です)を要することがあります。カテーテル治療により、ほとんどの方が治ります。

心房細動

高齢者に多く見られますが、若年でも発症します。脈がばらばらになることが特徴です。動悸や息切れなどが代表的な症状ですが、症状がほとんどないこともあります。重要なことは、重症な脳梗塞になりやすくなることです。血液をサラサラにする薬(抗凝固薬)が重要で、患者さまの状態に合わせて提案させていただきます。また、症状の緩和や不整脈の根治を目指すために、抗不整脈薬による薬物治療やカテーテル治療も提案しております。

不整脈のカテーテル治療について

当院では2009年5月よりカテーテルを用いた、不整脈の検査(EPS)および治療(焼灼術)を行っております。入院期間は原則として、上室性頻拍の場合は2泊3日、心房細動の場合は4泊5日となります。当院外来を受診された日に患者さまの都合に合わせて日程を決定いたします。苦痛を少なくする目的で、カテーテル挿入前から軽く眠った状態で受けていただいております。カテーテル治療は体にあたえる負担が少ないことも特長の一つで、退院後翌日から入院前と同じ生活が可能です(就学、就労に制限はありません)。

上室性頻拍のカテーテルアブレーション

不整脈の原因となりうる異常な電気の通り道は、(その種類により頻度は異なりますが)生まれた時から多くの方にあると言われております。そのような方でも正常な電気の通り道が機能しておりますので、平時は全く問題になりません。しかし、ある特定の条件が揃うようになると、その異常な電気の通り道が機能して、心拍数が速い不整脈(頻拍)が出現するようになります。アブレーション手術では、異常な電気の通り道を焼灼(蛋白凝固)することで不整脈が起こらなくなります(ほとんど再発はありません)。もちろん正常な電気の通り道は温存されますので、平時の生活に変化はありません。当院では症例に応じて、従来からある「カテーテル先端を温める高周波焼灼術」だけでなく、「三次元マッピング」や「冷凍凝固焼灼術」などの新しい技術も用いて、安全かつ効果的な治療を行っております。

心房細動のカテーテルアブレーション

心房細動の患者さまでは心房と呼ばれる心臓の部屋で電気の流れが乱れていますが、最近の研究によりその原因が明らかにされつつあります。もっとも重要な原因は心臓(左心房)に接続している肺静脈と呼ばれる血管にあり、この血管を心臓から切り離すような治療が心房細動の再発予防に有効です。肺静脈以外にも心房細動の原因があり、それぞれに適した治療方法があります。アブレーション手術の際にはいくつかの治療を各施設毎に組み合わせて行っているのが現状です。当院では、従来からある「カテーテル先端を温める高周波焼灼術」だけでなく、2016年2月からは「冷凍バルーンを用いる冷凍凝固焼灼術」なども用いて、安全かつ効果的な治療を行っております。また、お一人の治療に際し手術を施行する医師以外に10人近い院内スタッフが携わり、安全かつ低侵襲な治療を心がけております。なお、この不整脈は退院後に再発が見られることがあります。わずかでも記録された方を再発とすると、当院で2015年から2016年に治療を受けていただいた患者さまデータでは、発作性の方で16%、持続性の方で25%が再発と判断されました。ただし、再発と判定された方でも多くの方では症状が改善します(発作の頻度や発作の重症度が軽減します)。再発の状態によっては2回目のアブレーション手術を検討しますが、この場合は1回目の手術とは別の治療の組み合わせで手術を行いますので、さらなる治療効果が期待できます。
アブレーション手術は、現時点では1回の手術で必ず治るという治療方法ではありませんが、発作が頻回の患者さまや心房細動のために心不全が悪くなる患者さまに強くお勧めできます。また、脳梗塞のリスク、服薬継続のリスク、生活の制限など将来の問題の解消のために根治を目指す方にも強くお勧めできますが、この場合は手術後にしっかり経過を見ることが大切です。良好な治療効果を得るためには、心房細動の罹患期間が短い方が有利ですが、持続するようになって10年以内の患者さまであれば治療のお手伝いをいたしておりますので、治療を考えている方は是非ご相談ください。

アブレーション治療や冷凍凝固焼灼術などについては下記のサイトもご参照ください。
不整脈トッドコム(外部サイト/日本メドトロニック提供)

患者さまへ一言

不整脈の症状の程度は患者さまごとに異なります。また症状は発作性であることが多いために、普段はなんともないことも珍しくありません。そのため、周りの方々からは患者さま本人の困り具合を図ることが難しいといえます。私達は患者さま一人一人にあった診療を提供できるよう努力しておりますので、お困りのことがあったら気軽にご相談ください。

よい診療を受けるには

胸痛等の症状がある時は、翌朝まで我慢せず、いつでも救急外来を受診してください。
他院に通院中の場合、紹介状が無くても受診可能ですが、内服薬(実物又は印刷物)を全て持参して頂けると診療に役立ちます。過去の病歴、通院歴、家族歴やアレルギーの有無など、メモしておいて頂けると初診時に役立ちます。

患者さまへ一言

どんな病気もある日突然発症します。『昨日まで何ともなかったのに?』と考えがちですが、狭心症や心筋梗塞は最初の治療によってその後の運命が決まります。初めての胸痛や 15分以上持続するもの、冷汗を伴う等、おかしいと思ったらすぐに受診してください。

臨床研究について

当科は、医療の発展に役立たせていただく目的で、倫理委員会の審査を受けた各種の多施設臨床研究に参加させていただいております。患者さまのデータを用いて研究・発表を行いますが、プライバシー保護に十分な配慮を行なっております。

詳細については、外来を受診のうえでご相談ください。

医療設備

  • デジタルシネアンギオ 2台(DSA有り)
  • MRI
  • 64列MSCT
  • 心筋SPECT
  • 経胸壁・経食道超音波
  • 大動脈バルーンポンプ
  • 経皮的心肺補助(PCPS)

診療実績

最近5年間の主な検査・手術件数

  2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
心電図トレッドミルまたはエルゴメーター負荷試験 410 340 541 545 572
ホルター心電図 1,014 1,000 1,160 1,276 1,468
経胸壁心エコー 3,295 3,453 3,629 3,506 3,606
冠動脈造影検査 376 360 445 391 319
心筋血流シンチ 561 340 336 268 201
冠動脈CT 130 169 146 190 216
心臓MRI 13 18 21 36 33
ABI検査件数 665 540 684 578 536
冠動脈カテーテル治療 116 110 139 111 110
四肢の血管のカテーテル治療 40 28 16 23 28
ペースメーカー植え込み(新規及び交換) 29 39 54 46 58
カテーテルアブレーション 106 124 137 201 249
心大血管疾患リハビリテーション実施件数(延べ件数) 1,647 1,587 2,605 2,413 2,089

スタッフ紹介

樋口 浩太郎

副院長

樋口 浩太郎

略歴 平成3年 金沢大学医学部卒業 医学博士
所属学会 日本内科学会
日本循環器学会
日本心血管インターベンション治療学会
冨井 亜佐子

部長(内科と兼務)

冨井 亜佐子

略歴 平成14年 日本医科大学医学部卒業 医学博士
認定資格等 日本内科学会認定総合内科専門医
日本循環器学会認定循環器専門医
日本医師会認定産業医
心臓リハビリテーション指導士
所属学会 日本内科学会
日本循環器学会
日本心臓病学会
日本心血管インターベンション学会
日本糖尿病学会
日本心臓リハビリテーション学会
真田 明子

部長

真田 明子

略歴 平成15年 新潟大学医学部卒業 医学博士
認定資格等 日本内科学会認定総合内科専門医
日本循環器学会認定循環器専門医
日本心血管インターベンション治療学会認定医
日本不整脈心電学会認定不整脈専門医
所属学会 日本内科学会
日本循環器学会
日本不整脈学会
日本心血管インターベンション学会

医長

若杉 嵩幸

医長

袴田 崇裕

外来診療時間

受付時間は「外来診療担当医表」をご確認ください。