診療内容・特色
新潟医療センターの病理診断科は下越地区の「病理センター」として平成26年(2014年)2月に開設されました。病理医1人、技師4人の体制で働いています。
病理の仕事は病理(組織)診断、迅速診断、細胞診、剖検、そして最近ではコロナウイルスのPCR診断です。病理診断は最終診断、確定診断とも呼ばれ、きわめて重要ですが、病理診断科があることによってスピーディな対応が可能になります。最近の実績を下に示します(図1-3)。
病理診断科は大きな病院には必ずありますが、厚生連の病院の中では長岡中央総合病院、上越総合病院と新潟医療センターに設置されており、それぞれ重要な役割を果たしています。私どもは病理の仕事を通じて医療の向上と充実に努めています。
図1 生検件数
図2 細胞診件数
図3 剖検数
業務内容
1. 病理診断
病理(組織)診断とは内視鏡や手術で採取された組織を標本にして顕微鏡で観察し、病気の診断を行います。標本作製は組織をホルマリン固定してからパラフィンに包埋し、薄切してガラスに貼り付けて染色しますので、診断までに2~3日かかります。最近では免疫染色で特定の分子を染め出して治療法を決定することが可能となり、分子標的治療に直結しています(図4)。その他、組織を凍結してすぐに標本を作る迅速診断があります。手術中に結果を知らせることができますので、執刀医は切除範囲などを的確に決めることができます。村上総合病院とはon lineで迅速診断標本の遠隔診断を実施しています。
図4 乳がん:HE染色
HER2蛋白の免疫染色
FISH法HER2遺伝子検出(赤点)
2. 細胞診
細胞を採取して標本を作製し、がん細胞を見つけ出す検査のことで、一般診療に加え、集団検診で広く活用されています(図5)。
図5 がん細胞の細胞診標本。Papanicolaou染色
3. 剖検
病気でなくなった方の遺体をご家族の了承の上で解剖することで、病理解剖とも言います。解剖によって病気の広がり、治療効果の判定ができ、次の医療に活かすことができます。研修医の教育にもきわめて重要です。
4. 新型コロナウイルスの検査
2019年暮れから新型コロナウイルス感染が世界中に拡大して、社会に甚大な被害を及ぼしています。感染症に対しては迅速に対応できるPCRによる遺伝子診断が必須です。病理ではこれまでもPCRを用いて癌の診断に遺伝子検査を実施してきましたので、その経験をもとにコロナウイルスの検出を実施しています(図6,7)。患者さんに加え病院職員にも定期的検査を実施しています。
図6 新型コロナウイルスの検体処理とPCR装置
図7 PCR件数。職員:病院職員の定期検査
スタッフ紹介
病理部長
内藤 眞
専門分野 | 病理専門医 |
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略歴 |
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所属学会 |
日本病理学会 日本リンパ網内系学会 |
外来診療時間
受付時間は「外来診療担当医表」をご確認ください。